Summar 50mm f/2

Summar 50mm f/2については、確認できる範囲で最初にカタログ掲載された内容を、できるだけ原文に近い形で転記したいと考える。このレンズが最初に掲載されたのは、1933年6月のドイツ語カタログ(Liste Photo Nr. 7325.)で、Summar 50mm f/2は、その30ページある「Die vollständige Reihe der Leica-Objektive mit Auswechselfassung und selbsttätiger Kupplung setzt sich wie folgt zusammen:」というセクションに掲載されている。説明文は以下の通りである。「„SUMMAR“ 5 cm 1 : 2 (in Vorbereitung) Ultra-lichtstarkes Universal-Objektiv, für jede Art von Kunstlicht- und Reportagephotographie ebenso hervorragend geeignet wie für die allgemeine Amateurphotographie, 」。これは「ズマール 5cm F2(発売準備中)。大口径万能レンズ。あらゆる人工光撮影および報道写真に極めて優れ、一般アマチュア写真にも同様に優れた性能を示す」という内容である。そして、この説明分の下に次のように商品が並べられている。

Fassung nicht versenkbar.
Telegramm-Wort: „Sumarkup“ ….RM 130.–
Verchromt: „Sumarchrom“ ……RM 132.–
Fassung versenkbar.
Telegramm-Wort: „Sumuskup“ ….RM 155.–
Verchromt: „Sumuschrom“ …….RM 157.–

「Fassung nicht versenkbar.」は固定鏡胴、「Fassung versenkbar.」は沈胴式を意味する。また「Verchromt」はクローム仕上げを示している。

1933年6月の時点で、Summar 50mm f/2はまだ「in Vorbereitung(発売準備中)」の状態であった。しかしカタログには、固定鏡胴と沈胴式の両仕様が掲載され、さらに当時の標準仕様であるニッケル仕上げだけでなく、クローム仕上げまで用意されている。これは現在一般に想定されているSummar 50mm f/2の発展過程とは、やや異なる印象を与える構成である。現在、多くのライカファンの間では、Summar 50mm f/2はまずニッケル仕上げの固定鏡胴型として登場し、その後に沈胴式やクローム仕上げへ発展していったと理解されていると思われる。しかし、1933年6月の『Liste Photo Nr. 7325.』では、発売準備中の段階で既に固定鏡胴・沈胴式・クローム仕上げの各仕様が並列的に掲載されている。

しかし、一次資料であるカタログに依拠するならば、現在私たちが知っているSummar 50mm f/2の各仕様は、少なくともカタログ掲載段階においては同時に提示されていたことになる。なお、カタログには比較的大きな文字で「Das neue Spitzenobjektiv」と記されている。これは「新しい最高峰レンズ」という意味であり、ライツがSummar 50mm f/2を当時の新世代レンズとして強く位置づけていたことがわかる。